動的構造機能チーム
研究概要
動的構造機能チームチームリーダー
関口 博史
本チームは、共同利用ビームラインのBL40XU(高フラックス)、BL40B2(構造生物学II)において、主に生体高分子や有機高分子等のいわゆるバイオソフトマテリアルを対象とする非結晶小角散乱・回折実験のサポート、装置の維持・高度化、外部機関研究者との共同による先導的研究を行っています。 技術的支援を行うだけではなく、必要に応じて実験計画の立案からデータ解析、学会発表や論文執筆に至るまで、利用者のニーズに対して協力・助言を行っています。
開発成果
マイクロビーム光学系
BL40XUの高輝度性を生かし、径2μmまでのピンホールスリットによるマイクロビームを用いた小角散乱・回折実験のためのシステムを構築しています。X線光子相関法(X-ray Photon Correlation Spectroscopy: XPCS)やX線1分子追跡法(Diffracted X-ray Tracking:DXT)などへの応用も行っています。
汎用小角広角散乱回折測定システム
BL40B2では蛋白質溶液や脂質のような非晶質生体物質についてX線散乱・回折法を用いて構造解析を行っています。様々な高度化により、高い小角分解能(最大小角分解能6000A)と広い測定領域(広角測定限界数 A)における測定を実現しており、高空間分解能で静的な散乱パターンの測定が可能です。微小角斜入射X線小角・広角散乱法による高分子薄膜等の解析も行っています。
研究成果
プレス発表 (2014年以降)
- 凝集化するタンパク質1分子の励起運動を初観察! ―アルツハイマー病などの新治療戦略へ期待―
- 集まる分子が少ないミセルでは飛び飛びで不連続な会合数を取ることを発見 - 高校の化学の教科書の記載が変わるかもしれない発見 -
- 昆虫の羽ばたきを起こす筋肉内の分子変化の精密測定に成功
- パーキンソン病発症の鍵を握る「αシヌクレイン」の 生体内により近い状態での構造解析に成功 ~ パーキンソン病の根本治療の手がかりに ~
- 物質が結晶化する瞬間をキャッチ! ―世界初!予想外の激しいイオンの運動をX線高速ナノ計測―
- 移植されたiPS細胞と心臓との同期運動を分子レベルで証明
- 自己免疫疾患の新しい発現機構を発見!
- 運動や記憶を制御する受容体の巧みな分子内部運動の1分子観察に成功!
メンバー
- 主幹研究員 関口 博史(チームリーダー)
- 主幹研究員(技術担当) 増永 啓康
- 研究員 太田 昇
- 主幹研究員 加部 泰三
- 技師 青山 光輝
- 特別嘱託職員 岩本 裕之